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うずまき逆行伝その37
今週ジャンプがヒバツナ過ぎる。え、あの、つっくんマジヒロインなんすけど・・・。
「はーい、ナルトが料理し辛そうだからサスケは俺とあっちで待ってようね~」
いつも通り、のんびりした口調でさっさとナルトからサスケを引き剥がす。
「ちょっ、うわっ! 離せ、離せカカシっ!!」
「年下の癖になっまいき~。さんをつけようね、サスケくん」
「誰がお前みたいなあやしい奴にさんなんてつけるか! はーなーせー!」
「はっはっはっは」
サスケの言を無視して、カカシはそのまま居間に戻る。
ナルトはちらりとカカシを見ただけで、苦笑したまま料理を再開していた。
離せばまたナルトの元へと行きかねないので、カカシはサスケを膝の上に囲い込む。
「こんなあやしいおっさんの膝の上なんて嫌だ」
「俺だってこんな生意気なガキ膝の上に乗せたくないよ~。あと俺はまだ十九歳だから。ピッチピチだから。おっさんじゃないから」
「だったら離せ! あとそんな片目隠して覆面してる奴なんてあやしいおっさんで充分だ!!」
「ほんっとに失礼な子だね~。ナルトの迷惑になるから却下ね。大人しく料理が出来るまで待ちなさい」
「う・・・・・・」
流石に自分がナルトの邪魔をしているのは自覚していたのか、それを持ち出されてサスケは大人しくなる。
それを見てぽんぽんとサスケの頭を軽く叩き、卓袱台にあったせんべいをサスケに渡してやる。
それを目ざとく見つけたナルトが、こら、と叱りつけた。
「今から飯だっつーのに何渡してんだカカシ」
「これくらいなら平気でしょ。ねーサスケ」
「ナルトのご飯食べれなくなるからいらない」
受け取った癖して、サスケはナルトの忠告が入った途端に煎餅をカカシに押し返した。
「・・・・・・こんのガキャ」
「ふん」
ひくひくと米神を引くつかせながら、カカシは手加減しながらもサスケの両耳を思い切り引っ張る。
「いったあ!」
「生意気なお子様にはこーしてやる」
「いたたたたっ!!」
「ふふん」
自分でも大人げないとは思うが、どうにもこの生意気な子どもが気に食わないのだから仕方ない。
しかし敵もさる者、頭を思い切り振ってカカシの手から逃れた後、逆にその手を掴んで思い切り噛みついてきたのだ。
「あだっ!」
割と本気で痛い。
サスケを引き剥がそうとするが、意外なほど強い力で噛みついているらしく、中々手から離れてくれなかった。
「痛いって割とマジで! ナールートー! 助けて!!」
サスケが唯一言う事を聞く人間に助けを求めると、丁度料理が出来たのか、湯気の出ているお椀を盆に載せたナルトが居間へとやってきた。
「こら、サスケ。いい加減離しなさい」
「ほーらおっこらーれたー」
カカシは我が意を得たりとばかりに、にやりと笑う。この際大人げないなんてことは棚の上に置いておく。
ナルトに叱られたサスケは、しょんぼりしながら渋々カカシの手から口を離した。
「うー・・・・・・」
「変な病気移されたらどうするんだってばよ」
「ちょ、ナルトそれ酷くない!?」
「はーい。ごめんなさい。おれうがいしてくる」
「二人とも酷い!!」
カカシの膝から飛び降り、ぱたぱたと洗面所に走り去っていくサスケを見送りながら、カカシは恨めしげな視線をナルトに向ける。
「あの子俺に対して生意気過ぎない!?」
慣れた手つきで食卓の準備を進めるナルトに、カカシはぶちぶちと文句を言う。
言われたナルトはカカシの不機嫌などまったく意に介さずに笑うだけだった。
「まあ、良い傾向なんじゃねーの。お前に文句言えるだけ元気になったんだから」
そう言ったナルトの顔が酷く優しげで、それにすらカカシの苛つきは募っていく。
「・・・・・・ナルトは、サスケに甘いよねー」
言うつもりはなかったのに、自然とそれを口に出していた。
そこから拗ねたような、僻みに近い感情が滲み出ていることを、自分でも解ってしまい内心しまったと舌打ちする。
カカシのその言葉にきょとんと眼を丸くするナルトから、幾分気まずげにカカシは目を逸らした。