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オリジナル
うっかり鬱な気持ちのまま、ニコ動で東方アレンジの「人間が大好きな壊れた妖怪の唄」と「レイラの霊気琴」を聞いてしまったが故に、わけのわからんものが浮かび上がってきちゃったので書いてみた。
・オリジナルです。
・たぶん現代ファンタジー。
・ちっさい最強上司と、気の弱い新人のコンビ。
・この世に未練を残した人間の魂が、鬼となって人を襲ってたり。
・鬼を退治できる特殊能力を持った専門家がいたり。
・その専門家を集めた組織があったり。
・主人公コンビはそこの所属だったり。
・新人研修真っ只中だったり。
・そして暗い。
・虐待を臭わす表現があるので、苦手な方はご遠慮ください。
・ごっさ途中なので、訳はわかりません。
・恐らくラスト辺り(好きだなラスト辺り)
・オリジナルです。
・たぶん現代ファンタジー。
・ちっさい最強上司と、気の弱い新人のコンビ。
・この世に未練を残した人間の魂が、鬼となって人を襲ってたり。
・鬼を退治できる特殊能力を持った専門家がいたり。
・その専門家を集めた組織があったり。
・主人公コンビはそこの所属だったり。
・新人研修真っ只中だったり。
・そして暗い。
・虐待を臭わす表現があるので、苦手な方はご遠慮ください。
・ごっさ途中なので、訳はわかりません。
・恐らくラスト辺り(好きだなラスト辺り)
「そう! ここで家族全員でご飯を食べるのよ!!」
少女は、興奮した面持ちで、突如として現れたテーブルと4人分の椅子の周りをくるりと周った。
「お父さんと、お母さんと、お兄ちゃんと、わたしの、4人!」
少女の言葉に呼応するように、ぼう、と、光が浮び上がり、4つある椅子の1つに、中年の男が現れた。
その人型のもとへと、少女が駆け寄る。
「お父さんはわたしにとても甘いのよ。わたしが欲しいもの、何でも買ってくれるの!」
その隣の椅子に、優しげな女性が現れる。
すると、少女は虚ろな目をした女性ににこりと笑いかけた。
「お母さんはとても優しくて、わたしのお話を楽しそうに聞いててね」
向かいの椅子の1つに、少年が映し出される。
テーブルを回り込み、少女は少年が座る椅子の隣に腰掛けた。
「お兄ちゃんは、いつもわたしと遊んでくれるのよ!」
少女は嬉しそうに笑う。
だが、いくら少女が彼らに話しかけようとも、彼らは笑いもしなければ、少女の声に答えもしない。
――――当然だ。
何故ならば、それらは全て、少女の作り出した幻に過ぎないのだから。
「わたしのおとうさんはわたしを愛してくれる」
「わたしのあかあさんはわたしを抱き締めてくれる」
「わたしのおにいちゃんはわたしを大切にしてくれる」
「わたしの家族はわたしが大好きなのよ! わたしが泣いていたら、どうしたのって心配そうに声をかけてくれるの。わたしが風邪をひいたら、大丈夫って看病してくれるの。わたしが誰かに苛められたら、怒ってくれるの。わたしが話しかけたら、何をしててもちゃんと振り返ってくれるの。わたしが笑っているのが一番嬉しいって、みんな、みんなそう言うの!!」
幸せそうに、幸せそうに2つの角を額に宿した少女は語る。
一度鬼狩りの手にかかりかけたせいで、既に幻を維持する力もないのか、彼女が作り出した幻は、その姿を徐々に薄れさせていた。
それでも、少女は必死に言葉を綴る。
「わたしも皆が大好きだから、わたしはいい子にしているのよ。お掃除だってお洗濯だって料理だって頑張ったわ。邪魔にならないように静かにしていたし、ご飯だってたくさん食べたら嫌な顔をされるから、少しで我慢したの」
少女の顔から、やがて笑みが消えていく。
ぎゅっと握り締められた拳が、小さく震えていた。
「わたしのお誕生日を祝ってもらえなくても平気よ。あの子のお誕生日にはちゃんといい子でお留守番しているわ。お洋服もボロボロのお下がりでいい、おもちゃだっていらない。欲しがらないから・・・・・・っ」
――――ついに、優しい幻は全て消え去ってしまった。
愛されることを渇望した、少女を残して。
その瞬間、鬼の少女は涙を流しながら崩れ落ちる。
「だから・・・・・・だから、お願いだから、わたしを無視しないでぇ・・・・・・っ!!」
悲しい少女の叫びが、狭間に響き渡った。
「・・・・・・神楽さん・・・・・・っ!」
結城が震える声で、己の上司を呼んだ。
自分よりも低い位置にある横顔は、真っ直ぐに少女を見据えている。
「僕には・・・・・・僕には無理です! 彼女はなりたくて鬼になったわけじゃない! 彼女は寂しくて、辛くて、苦しくて・・・・・・誰も彼女を見なかったから!!」
引き取られた先で、少女はその存在を無視された。
誰も見ず、誰も話しかけず、少女はまるで空気のように扱われたのだという。
家族旅行で当然のように留守番させられていた夜、彼女は暴漢に殺されたのだ。
ただ、愛されたいと願った少女は、誰にも愛されることなく死んでいった。
悲しいという思いを、この世に残して――――。
無理だと首を振る結城に、厳しい声がかけられた。
「それであの子を見逃して、たくさんの人間があの子に魂抜かれて人形にされてめでたしめでたしってか?」
「っそれは――――っ」
ひたりと、澄んだ黒い瞳が、結城を見上げた。
「――――狩るぞ」
「神楽さん!!」
「それが俺らの仕事だ。感情に左右されるなとは言わねえ。選ぶモンを間違えんな」
「――――っ」
崩れ落ちる結城の頭に、大きくはない手がぽん、と置かれる。
涙で滲む視界の中、存外に優しい目を見つけた。
「か、ぐら・・・・・・さ・・・・・・」
「お前にあの子を狩れるなんざ思っちゃいねえさ。まだ早い。お前はただ、そこで見てろ」
鬼狩りが、哀れな魂を消し去る所を――――。
俺達が、決して正義ではないことを、しっかりと見ていろ。
結城が生まれるよりも前から鬼を狩っている少年は、そう言って飛び出していった。
少女は、興奮した面持ちで、突如として現れたテーブルと4人分の椅子の周りをくるりと周った。
「お父さんと、お母さんと、お兄ちゃんと、わたしの、4人!」
少女の言葉に呼応するように、ぼう、と、光が浮び上がり、4つある椅子の1つに、中年の男が現れた。
その人型のもとへと、少女が駆け寄る。
「お父さんはわたしにとても甘いのよ。わたしが欲しいもの、何でも買ってくれるの!」
その隣の椅子に、優しげな女性が現れる。
すると、少女は虚ろな目をした女性ににこりと笑いかけた。
「お母さんはとても優しくて、わたしのお話を楽しそうに聞いててね」
向かいの椅子の1つに、少年が映し出される。
テーブルを回り込み、少女は少年が座る椅子の隣に腰掛けた。
「お兄ちゃんは、いつもわたしと遊んでくれるのよ!」
少女は嬉しそうに笑う。
だが、いくら少女が彼らに話しかけようとも、彼らは笑いもしなければ、少女の声に答えもしない。
――――当然だ。
何故ならば、それらは全て、少女の作り出した幻に過ぎないのだから。
「わたしのおとうさんはわたしを愛してくれる」
「わたしのあかあさんはわたしを抱き締めてくれる」
「わたしのおにいちゃんはわたしを大切にしてくれる」
「わたしの家族はわたしが大好きなのよ! わたしが泣いていたら、どうしたのって心配そうに声をかけてくれるの。わたしが風邪をひいたら、大丈夫って看病してくれるの。わたしが誰かに苛められたら、怒ってくれるの。わたしが話しかけたら、何をしててもちゃんと振り返ってくれるの。わたしが笑っているのが一番嬉しいって、みんな、みんなそう言うの!!」
幸せそうに、幸せそうに2つの角を額に宿した少女は語る。
一度鬼狩りの手にかかりかけたせいで、既に幻を維持する力もないのか、彼女が作り出した幻は、その姿を徐々に薄れさせていた。
それでも、少女は必死に言葉を綴る。
「わたしも皆が大好きだから、わたしはいい子にしているのよ。お掃除だってお洗濯だって料理だって頑張ったわ。邪魔にならないように静かにしていたし、ご飯だってたくさん食べたら嫌な顔をされるから、少しで我慢したの」
少女の顔から、やがて笑みが消えていく。
ぎゅっと握り締められた拳が、小さく震えていた。
「わたしのお誕生日を祝ってもらえなくても平気よ。あの子のお誕生日にはちゃんといい子でお留守番しているわ。お洋服もボロボロのお下がりでいい、おもちゃだっていらない。欲しがらないから・・・・・・っ」
――――ついに、優しい幻は全て消え去ってしまった。
愛されることを渇望した、少女を残して。
その瞬間、鬼の少女は涙を流しながら崩れ落ちる。
「だから・・・・・・だから、お願いだから、わたしを無視しないでぇ・・・・・・っ!!」
悲しい少女の叫びが、狭間に響き渡った。
「・・・・・・神楽さん・・・・・・っ!」
結城が震える声で、己の上司を呼んだ。
自分よりも低い位置にある横顔は、真っ直ぐに少女を見据えている。
「僕には・・・・・・僕には無理です! 彼女はなりたくて鬼になったわけじゃない! 彼女は寂しくて、辛くて、苦しくて・・・・・・誰も彼女を見なかったから!!」
引き取られた先で、少女はその存在を無視された。
誰も見ず、誰も話しかけず、少女はまるで空気のように扱われたのだという。
家族旅行で当然のように留守番させられていた夜、彼女は暴漢に殺されたのだ。
ただ、愛されたいと願った少女は、誰にも愛されることなく死んでいった。
悲しいという思いを、この世に残して――――。
無理だと首を振る結城に、厳しい声がかけられた。
「それであの子を見逃して、たくさんの人間があの子に魂抜かれて人形にされてめでたしめでたしってか?」
「っそれは――――っ」
ひたりと、澄んだ黒い瞳が、結城を見上げた。
「――――狩るぞ」
「神楽さん!!」
「それが俺らの仕事だ。感情に左右されるなとは言わねえ。選ぶモンを間違えんな」
「――――っ」
崩れ落ちる結城の頭に、大きくはない手がぽん、と置かれる。
涙で滲む視界の中、存外に優しい目を見つけた。
「か、ぐら・・・・・・さ・・・・・・」
「お前にあの子を狩れるなんざ思っちゃいねえさ。まだ早い。お前はただ、そこで見てろ」
鬼狩りが、哀れな魂を消し去る所を――――。
俺達が、決して正義ではないことを、しっかりと見ていろ。
結城が生まれるよりも前から鬼を狩っている少年は、そう言って飛び出していった。
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