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 ボーカロイド(ファンタジーもいいとこ)

 ラストが決まらないせいでぶっちゃけツナ誕SS詰まりました
 明日には何とかアップできてたらいいな。母親の見舞いに行くので更新するとしても夜でしょうが。

 なので、コメントにもあったボカロで「戦唄」のイメージで書いてみようかと。
 書きたいところだけなので、前後繋がらない上に本気で1シーンですが、それでも「よっしゃ、見ちゃろ」という神は下をクリックしてくださいまし。


 メモ
・世界観的には近未来ファンタジー?
・人はボカロを使って戦います。
・FSSのファティマ設定頂きました。
・この世界では音・声で魔法っぽいものが出せるような気がしないでもない。
・ボカロはマスターなしじゃ魔法は発動できません。
・オーフェン設定頂きました。
・骨董品(アンティーク)→100年以上前に作られたボーカロイドのこと。


 もう、2度と「唄う」ことはないと、そう思っていた。
 あの人がいなくなってから、封じた唄の数々。
 だが。
 優しいあの子達を守る為ならば。

 ――――躊躇いは、しない。







 目の前で起こる現象が信じられなくて、レンは思わず唸り声を上げた。
「う・・・・・・そ、だろ・・・・・・っ!」
 無理もない。何故ならば、決して有り得ないことが、目の前に広がっているのだ。
 青い髪の青年が、常にない厳しい表情で目の前の敵を見据えている。
 その周囲には、赤、青、黄の魔方陣が浮んでいた。
 玲瓏に紡ぎ上げられる3つの方陣は、レンが今まで見たどれよりも、緻密で精巧なものであった。
 発動される魔術の攻撃力は、その方陣がどれ程複雑に組まれているかで決まる。
 ボーカロイドの性能が高ければ高いほど、その効力は増していく。
 レンとて最新式のボーカロイドだ。マスターからやれと命じられれば、今カイトが紡いでいる魔方陣のような精巧なものを作り出すことはできる。

 1つならば、だが。

「これだけ強い攻撃方陣一度に3つ紡げるって、いったいどんな舌してんだよ・・・・・・っ」
 スペックがオールAである一級ボーカロイドのレンにですらできないような芸当を、骨董品(アンティーク)のカイトがいとも容易くしてのけているのだ。
 やがて紡ぎ終わった唄は、見事な方陣を描き、淡く光りだす。

「――――唄え」

 静かなカイトの声が、響く。
 途端に3つの方陣から凄まじいまでの力が放出された。
「う・・・わああああああああっ」
 3色の高密度のエネルギーは敵対していたボーカロイドに直撃し、攻撃を受けたボーカロイドは一瞬にして吹き飛ばされた。


 一瞬。
 一瞬で全てに終止符が打たれた。
 相手のボーカロイドがもう「唄え」ないことは、誰の目にも明らかだ。
 あれ程レンを苦しめ、リンを痛めつけたボーカロイドは、カイトによって再起不能なまでの傷を負っている。
 静かにカイトが傷ついたボーカロイドのマスターのもとへと足を進めた。
「ひっ・・・・・・!」
 後ずさる男は完全に脅えている。
 ガタガタと無様に震える様に、先程までの不遜な態度は欠片も見られなかった。
 ゆっくりと、カイトが口を開く。
「・・・・・・俺の妹と弟をこれ以上傷つけるならば、容赦はしない」
「ひぃぃっ! ゆっ、許してくれ!!」
「去れ」
 カイトの命令に、男は己のボーカロイドを放って逃げていった。
「ま・・・すた・・・・・・」
 置き去りにされたボーカロイドの瞳から、1つ雫が零れる。そしてふらりと立ち上がり、レン達に見向きもせずに立ち去っていった。
 その様子を、レンは遣る瀬無いような気持ちで見ていた。
 ボーカロイドは主なくしては唄えない。主が全てで、主の為だけに存在する。
 自分達は人ではなく機械だが、それでも大好きなマスターに捨てられれば悲しく思うのだ。
 カイトに破れ、マスターにも捨てられたあのボーカロイドは、何処へ行くのか。


「・・・・・・レン?」
「あっ、な、何?」
 俯くボーカロイドに気をとられていたレンは、すぐそこまでカイトがやってきていたのに気づかなかった。
 彼の腕の中には、気を失ったリンがいる。レンは慌ててカイトに駆け寄る。
「リン!」
「大丈夫。致命傷はないよ。暫くすれば元気になる」
「よかった・・・・・・」
 柔らかな空気を纏ったカイトが、レンを安心させるように優しく笑った。
 何時ものカイトだ。レンの知る、優しくてちょっと頼りなげな、レンとリンの「兄(プロトタイプ)」
「・・・・・・・・・・・」
 この青年の何処にあれ程の力が眠っているというのか。
 目の前で見てもまだ信じることができない。
「レンは怪我、してない?」
「・・・・・・うん」
「そっか。よかった」
 頷くレンに、ほっとしたようにカイトは目尻を下げた。
 ぽんぽんとレンの頭を撫で、片手にリンを抱きかかえたカイトが手を差し伸べてくる。
「――――帰ろうか。めーちゃんが家で待ってるよ」
 当たり前に差し出される手に、レンはほんの少し戸惑った後、おずおずと自分のそれを重ねた。

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