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 銀魂(土銀♀)

 やっとショックから立ち直ったので、再挑戦。
 ちゃんと今度は直接打ち込むんじゃなくて他に書いてから、それをコピったよ!(自慢にならない)


 銀魂です。土銀で、しかも銀さん女体化な上に一言もしゃべりません。
 たぶん長編のラスト辺り。
 思いっきり中途半端です。




 己の顔が、どんどん凶悪なものになっていくのを、土方はまざまざと感じていた。
 だが、それを止める術はない。止めようとも思わないが。
「ひっ・・・・・・」
 土方の余りにも恐ろしい人相に、彼を中心に大きな円ができあがる。
 普段彼の怒声や暴力に慣れている隊士達ですら、今の土方には脅え震え上がったのだ。
 しかし、そんな隊士達など土方の視界には入ってこない。
 今の彼の目に映るのは、この腕の中で満身創痍で気を失っている銀髪の麗人のみ。
「・・・・・・すると、あれか」
 気を失う前に銀時が言った言葉をそのまま解釈すると。
「俺は、遊び程度の女に避妊もせずに、散々好き勝手にやりまくった挙句、本命の警護をテメーが傷ついても構わねえから無傷で守れと押し付けた、ど腐れ野郎だと思われてたって訳か・・・・・・?」
 言った瞬間、また土方の眦がキリキリと吊りあがる。
 背後に何かドス黒いものが立ちこめ出し、近藤や沖田といった土方と親しい間柄の人間ですら更にずさっと後ずさりして土方から離れだした。


「石女だから避妊しなくて済むし、都合がいいから週末性欲処理の為だけに万事屋に通ってた、と・・・・・・?」
 そんな男だと、そう思われていたというのか。
 ぎり、と土方は奥歯を噛み締めた。








 一方、凶悪な土方から距離を取った真選組の面々は、こそこそと囁き合っていた。
「うわ・・・・・・あそこまで凶悪に怖い土方さん、俺初めて見ましたよ・・・・・・」
 普段隠密という職業柄土方とそれなりに付き合いのある山崎が、顔を引き攣らせながら呟いた。
「いや、あんなに凶悪なトシは俺も初めて見るが・・・・・・」
 山崎の言葉に、近藤も顎に手を当て、しみじみと頷く。
「でも局長、土方さんはともかく、旦那の方は早く手当てしてやらないとマズいでしょう。全身から血ィ噴き出してるんですよ。ヤバいですって」
「う、ううーむ・・・・・・それはわかってるんだがなあ・・・・・・」
「局長ならなんとか副長に話しかけられるんじゃあ・・・・・・」
「無理! 絶対無理! 今のトシはヤバ過ぎるって! バナナくれるっつっても無理!!」
 山崎が縋るような目で近藤を見つめてくるが、とんでもないと言わんばかりに近藤は首を振って両手をクロスした。
 顔は真っ青だ。
「土方のヤロー、ついに本性を表しやがったぜィ。近藤さん、あいつ『顔が怖い罪』でしょっ引きましょうや。それがきっと世の為人の為ですぜィ」
「どんな罪状!? こらこらこら! ちょ、総吾! あのトシに突っ込んで行くのは止めなさい!!」
 ちゃき、とバズーカを構えた沖田が土方のもとへ駆け出そうとしたのを、近藤が必死に止める。
 普段の土方ならば沖田がどんなに無茶な攻撃を仕掛けようとも、怒鳴りはするが適当にあしらうから問題はないが、今の土方にそれをするのは拙い。
 今の土方は、沖田だろうが山崎だろうが、向かってくる者を片っ端から切り伏せそうな、そんな雰囲気を纏っているのだ。
 下手に突っ込んで行ったら本当に死人が出かねない。
「ちっ・・・・・・」
 沖田は渋々バズーカを仕舞う。
 大好きな近藤に言われれば止まらないわけにはいかない。
 それに、沖田自身も今の土方がどんなにヤバいのかはわかっている。悔しいが、キレた土方は自分の手には負えない。
 だが、それでも自分が珍しく懐いていると認めている、第二の姉とも母ともつかない憧憬に似た感情を抱く女性が、土方のせいで傷ついたままでいるのが許せないのだ。
 自分の姉は、彼女が全力で守ってくれたおかげで傷1つなく無事でいる。おまけに、銀時は知り合いの伝手を頼って姉の病気が治せるかもしれないという医者を紹介してくれたのだ。
 恩は膨らむばかりだというのに、助け出せない自分が腹立たしい。
 しかもそれが憎き土方の怒気に手が出せないでいるせいというのが、尚更に沖田を苛立たせた。
「でも近藤さん、本当にこのままじゃ旦那の傷に響きますぜィ」
「うーむ・・・・・・」
 近藤も同じことを思っていたのか、何とかして銀時を連れ出せないかと思案に暮れている。
 やはり、ここは自分が特攻覚悟で行くしかないかと、そう思ったその時。


「――――近藤さん」


 低い、女どもがこぞってうっとりと聞き惚れるような美声が己の名を呼んだ。
「はいィィィィッ! なっ、なんだね土方くん!!」
 突然声をかけられた近藤は思いっきりビビって背筋を伸ばして返事をする。
 慌てて土方を見れば、未だ意識の戻らない銀時を横抱きに抱え、ゆっくりと立ち上がっているところだった。
 そして土方がこちらに歩き始めた瞬間、見事なまでの速さで近藤の周りから人が遠のいていく。
「あっ、お前らずるいぞ! 俺を生贄にする気か!?」
 半泣きになりながら叫ぶと、沖田がヒラヒラと手を振った。
「いやァ、今の土方さんを相手に出来るのは近藤さんしかいませんや。後は任せますぜィ」
「そうです、頑張ってください局長!」
「フレフレ局長!」
「ファイトだ局長!」
「どんまい局長!」
 沖田に便乗するように、山崎を始めとする隊士達も無責任に応援だけを寄越す。
「くっ・・・・・・覚えてろよお前ら・・・・・・!!」
 呼びかけられた手前、ここから動くわけにもいかない近藤は、近づいてくる修羅を待つしかなかった。
 やがて土方は、近藤の目の前でぴたりと立ち止まる。
 そして俯かせていた顔を、近藤に向けた。
「・・・・・・近藤さん」
「なっ、なんだトシ」
「俺の有給、残ってたよな・・・・・・?」
「たんまりあるよ!」
 こくこくと頷く。
「なら良かった。悪いんだが、一週間程休ませちゃくれねーか」
「そりゃ無理・・・・・・いやいやいや! うん、わかった!!」
「すまねえな」
 荒事専門の真選組は、上から下まで細々とした事務作業に向いたものがいない。
 それを土方が上手く人を動かし捌いているからこそ、滞りなく仕事が進んでいるのだ。
 1日や2日ならばどうってことないが、流石に一週間も休まれれば下手すれば真選組が機能しないかもしれない。
 それ程までに、鬼の副長の仕事ぶりは真選組にはなくてはならないものであった。
 それに土方がいなくなれば、必然的に自分の仕事量が半端なく増える。それこそ洒落にならないくらいに。
 だが、無理と言った瞬間に開かれた瞳孔に、近藤は迷わず6日間完徹の旅を選んだ。
「ち、ちなみに、一週間も何を・・・・・・?」
 好奇心から尋ねた言葉に、土方は愚問だと言いたげに笑った。
 但し、目は欠片も笑ってはいなかったが。


「ちょっとこの馬鹿女の腹の俺のガキ仕込んでくる。一週間もありゃ1人くらい出来んだろ」
「それは犯罪じゃないかトシィィィィィィィィィィッ!!」


 目がマジだ。
 思わず叫んだ近藤に、土方はただニイと嗤うだけだった。



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