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うずまき逆行伝(番号ワスレター)
書くことが思い浮かばなかったからこれにしてみた。
色々すっとばして本編。1巻あたり。
「あいつはバケギツネなんかじゃない・・・・・・木の葉の忍だ!」
この言葉に、いつだって救われるのだ。
昔はなりたくて仕方のなかった忍者。
忍者になって、木の葉の為になることをすれば、自分を見てもらえるんじゃないか、なんて必死になっていた、あの頃。
しかしアカデミーの教師達からは嫌われており、あまり基礎をきちんと学ぶ機会を得られなかった。
そのせいか、いつも成績はドベ、何をやらせても失敗する万年最下位のうずまきナルトが出来上がった。
イルカ先生が気にかけてくれだし、学ぶ機会は増えたものの、己ばかりをかまうわけにもいかず。
結局、イルカ先生の温情がなければ、「うずまきナルト」という忍者は誕生し得なかったのだと、今でも思う。
己を己として見てくれる人がいる。
それが、どれだけの力になるのかを、あの人から教わった。
九尾と混同される辛さを知っていたからこそ、あの人の優しさと温かさを奇跡のようだと思う。
あの人がいてくれたからこそ、九尾と心を通わすこともできたのだ。
里で英雄と讃えられるようになったのも、イルカ先生がいてくれたから。
そうしてこの人は、また俺を救ってくれる。
もう自分は、嘗ての万年最下位のドベのうずまきナルトではない。
あんなにも必死に里の人間から認められようと努力する、うずまきナルトではなくなった。
悪戯好きで騒がしいのは、表面だけ。
・・・・・・まあ、シカマルやチョウジ、キバ達と馬鹿をやるのは楽しいが。その度にサスケが家に帰ると彼らの人形らしきものに向かってぶつぶつ言いだすのが困りものだ。
それでも、もう、自分はあの時のような気持ちは持てない。
里の人間が己を九尾と混同して憎むのであれば、好きにすればいいと思う。
自由に生きてやると決めた。その決意は揺るがない。
大切な人の為にしか動かないと。
今回のこの騒動とて、本来はミズキを捕らえ、知らぬこととは言え禁術を盗み出してしまったうずまきナルトはそのままアカデミーを退学になり、忍者にはなれない予定であった。
と、いうか、そうなるように火影を脅した。
正直暗部と下忍の二足の草鞋はきついものがあったし、サスケはカカシに任せて、そろそろ本格的に暁の動向を探ろうかと思っていたから。
そうする方が、楽なのだ、己にとって。
後々のことを考えれば、そうするべきなのだ。
里の人間の為には動かない。
その為の努力も、しない。
うずまきナルトはここで表舞台から消える方が、動きやすくなる。
そう、解っているのに。
「・・・・・・・・・」
無意識に、手が伸びていた。
温かい、優しい人へと。
その人がくれる、泣きたくなる程のぬくもりを、どうしても拒絶することができなかった。
彼がくれた額あてを、外すことなんてできなくて――
「卒業おめでとう、ナルト」
この世界で生まれて初めて流す涙に、全てを持って行かれた。
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