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うずまき逆行伝
近頃夜遅くまで起きているせいか、中途半端な時間にとても眠くなります。
そして睡魔に負けて眠ってしまい、結果夜遅くまで起きてしまっているという・・・。
改善しなければ。
さしあたって今日は日付が変わる前に寝てみようと思う。
そして睡魔に負けて眠ってしまい、結果夜遅くまで起きてしまっているという・・・。
改善しなければ。
さしあたって今日は日付が変わる前に寝てみようと思う。
日向宗家は、重々しい空気に包まれていた。
あまりにも重大な事件を前に、誰一人として声を出す者はいなかった。
雲の国からの理不尽な要求。
飲まなければ、木の葉に明日はない。
だが、白眼は木の葉を支える重要な血脈の一つ。
おいそれと他国へと引き渡していいものではない。
しかし、断れば戦は避けられない。そうなれば、未だ九尾の襲撃事件より立ち直っていない木の葉がどうなるか―――火を見るより明らかだろう。
日向の血継限界は確かに里の重要な切り札ではあるが、死体であればいくら宗家の人間のものとはいえ、白眼の能力がそのまま体に残っているわけではないのだ。
分家よりも死体に残る情報量が多いのは事実だが、それで白眼の全貌が見えることなどまずありはしない。
ヒアシは、木の葉の為に己が身を差し出すことを決断した。
「仕方ありません・・・・・・私一人の命で里が救えるなら」
そう言ったヒアシに、目の前にいる三代目火影は渋面を作り唸りだす。
ここまできても誰かを犠牲にすることを厭うこの火影に、ヒアシはほんの少しだけ微笑んだ。
自分には既に跡取りがいる。
少し大人しめで頼りない娘だが、長老達がよく教育してくれることだろう。
日向宗家の当主として、ヒアシは潔く己を犠牲にする道を決断した。
しかし、その決断に待ったをかけたのは、日向を長きに渡り守ってきた長老の一人であった。
「ヒアシよ・・・・・・。そう早まるでない。日向の血継限界はこの里にとって重要な切り札じゃ。永劫それを守り続けるのが宗家のお役目じゃろう」
彼の言うことは最もだ。
宗家は日向の血継限界を守り、後世に伝えてゆくことこそが本来の役目。
だが、しかし。
「・・・・・・・・・・・・しかし、その役目の前に里を絶望的な戦争に巻き込んでしまっては―――」
そう、日向の血は木の葉の里を守る為にある。
いくら日向の血が大事だからといっても、その血を守る為に木の葉の里を犠牲にしてしまっては本末転倒というものだ。
困惑するヒアシの言葉に、しかし長老も重々しく頷いた。
「分かっておる・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・だからその為に分家がおるのではないか。・・・・・・・・・・・・ヒザシの死体を、お前の影武者として引き渡すしかない」
「・・・・・・っ!」
厳しい面持ちで、長老は告げた。
その言葉に弾かれるようにしてヒアシは目を見開き、長老の後に控えていた弟を見やる。
「ヒザシも了解済みの話じゃ・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
双子の兄弟は、ただ無言で互いを見つめあった。
ヒアシの頭の中には、己一人が犠牲になればいいという思いしかなく、ヒザシを影武者にすることなど考えもしなかったのだ。
それに何より、弟を自分の為に犠牲にする気は、欠片もなかった。
ヒアシは焦ったように長老に向きなおり、言い募る。
「しかし・・・・・・奴らが欲しているのは、この白眼の能力の秘密・・・・・・ヒザシでは死体になった時点でその能力を封印してしまう・・・・・・それで雲の国が納得するとは・・・・・・!」
「フン・・・・・・それが本音ではあろうが、雲が出してきた取引条件は『日向ヒアシの死体を渡せ』というものじゃ・・・・・・要求を飲んだフリをして、お前と瓜二つのヒザシを渡せば・・・・・・奴らもそれ以上おいそれとは追及出来ぬ・・・・・・」
長老の言うとおり、雲が要求してきたのは『日向当主』ではなく、『日向ヒアシ』個人の死体を引き渡せというもの。
ならばヒアシの双子の弟であるヒザシならば、ほぼ同じ遺伝子を持っているのだからヒアシの死体ではないと判別することも難しいだろう。
その場でわからなければ、後で何を言っても通用しないのが忍の世界だ。
騙される方が悪い。それがまかり通る世界なのだから。
当主としてはこれ以上ない程に納得のいく長老の話に、ヒアシは言葉もなく冷や汗を流す。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
―――だが、それでも、身内を・・・・・・弟を、犠牲にはしたくなかった。
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