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 うずまき逆行伝その15

 週の真ん中に休みあるのっていいですよね。国が「水曜日は絶対休み!」とかやってくれたらいいのにって真剣に思いました。

 うずまき逆行伝中々評判良さげでうれしいです。今回と次で「日向編」はお終い。
 その次からいよいよ「うちは編」に行きます。
 まあナルトの子育て編はまだまだだろうが。
 早く書きたいなあ。大人に変化したナルトがちっさいサスケをあやしながら家事するとこ。





「・・・・・・うずまきナルト」
 ヒアシの言葉に、ナルトとカカシがこちらを見つめてくる。
「なに? おっちゃん」
「おっ・・・・・・い、いや、まあいい。うずまきナルト、お前は何故ここへ来た? 茶を飲みにきたわけではあるまい。聞けば自宅に当家以上の茶葉も所有しているようだしな」
「さり気無く気にしてたんだ、そこ・・・・・・」
 小さく突っ込まれ、ごほりとヒアシは空咳をした。
 自慢じゃないが、日向宗家には高価な物が数多く置かれている。中でも茶葉は火の国の大名ですら入手しにくいものを使っているので、それよりも希少価値が高いものを日常的に使っているという話にプライドがついつい刺激されてしまったのだ。
 図星をつかれ、若干気まずい思いをしながらも、ヒアシはナルトの突っ込みを流した。
「・・・・・・今、我が日向家は重大な問題を抱え、深刻な会議が続いている。そこへやってきたのだから、それなりの理由があるのだろう」
 いやあってくれ。頼むからあってくれ。
 ヒアシは鉄壁のポーカーフェイスを作りながらも、内心ナルトを拝み倒していた。
 当のナルトと言えば、口をつけていた湯呑を盆に置き、じっとヒアシを見つめている。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
 娘と同じ年の、子どもにもなりきれていない幼児に見つめられ、ヒアシはじとりと冷や汗をかく己を自覚した。
 赤子にも等しい歳の子どもの視線に気圧される程ヒアシも耄碌してはいないが、正直澄んだ蒼色の瞳に見据えられてたじたじとなる。
 やがてナルトは小さくため息をつくと、ぼそりと何事かを呟いた。
 それはあまりにも小さく、ほとんどの者には聞こえなかったであろうが、口元の見えたヒアシには読唇術で子どもが何を言ったかを知ってしまった。


 アセッテンナア、オヤジドノ。


 そう、聞こえた。
「?」
 自分はこの子どもとは初対面のはずだ。こんな色彩を持つ、しかもこれだけ精神年齢の高い子どもに一度でも会えば、嫌でも忘れられないだろうし。
 だから「親父殿」と呼ばれる程、この子どもと親しいわけではないのだが。
 普通この呼び名は、余程親しい間柄でしか呼ばれない部類に入るだろう。この子どもとの間は、お世辞にも親しいとは言えない。何せ今日初めて会ったのだから。
 何故、己に向かい「親父殿」と呼ぶのか。
 疑問符を頭に浮かべていたが、ナルトが口に出した言葉に、そんな疑問は彼方へと飛んでいってしまった。


「―――カカシ。あれ持ってきて」
「はーい」
 ナルトがカカシにそう言うと、カカシは一瞬消え、数分もしないうちにまたその場に姿を表した。
 大きなジュラルミンケースを一つ持っており、それをカカシはナルトに渡す。
「あんまりにも多いから、他は影分身達に火影邸に運ばせたよ。これ一つでも証拠としちゃあ充分デショ。あとこれね」
「ん」
 渡されたケースと手紙らしきものを持ち、ナルトはヒアシに向きなおる。
 そしてとてとてとヒアシに近づき、はいとその手紙を渡した。
「これは・・・・・・?」
 隣にいたヒザシも、子どもを警戒しながら手紙に目を向ける。
 どこからどうみても、件の雲の国の印が押されているように見えるのだが。
 何だろう、ついに痺れを切らして開戦宣言でもしやがったんだろうか。
 開ける勇気が中々持てずにいるヒアシに、何でもないような調子でナルトはしれっと爆弾発言をかました。
「ん? 雲の国からの条約違反に対する詫び状と、んでこっちのケースに入ってんのが違約金の一部」
 言いながらナルトがケースをぱかりと開ける。
 そこには、ざっと見でも約百万両はくだらないであろう紙幣が、びっしりと詰められていた。
「はっ・・・・・・!?」
「なっ・・・・・・!」
 ヒアシとヒザシの兄弟は、その大金に目を丸くした。
 他の人間も口を大きく開けてケースを凝視している。
 唯一三代目だけが、呑気にお茶を啜っていた。
 ナルトはにこにこと話を続ける。
「いやだってさ、いくらこっちが忍頭を殺しちゃったとはいえ、元々向こうが悪いわけじゃん? つか殺される程度の実力しか持ってない誘拐犯送りこんどいてデカい口叩いてんじゃねえよとか思ったしさあ。でもようやく締結した条約を白紙にはしたくなかったから、ここは穏便に事を済まそうと思って、俺カカシ連れて雲の国まで行って話し合いしてきたんだってばよ。セイシンセイイ込めてコンセツテイネイに理を説いたらちゃんと理解してくれたみてーで、違約金と詫び状をくれたんだー」
 にこにこと機嫌よさ気に笑うナルトに、背筋が凍る思いをしたのは何も自分だけではないはずだとヒアシは思った。

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