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 うずまき逆行伝その18

 ネットでコピー本の作り方を調べてみると、自分にもできそうな、無理なような微妙な感じでした。
 やってできないことはないが、果たして己にその気力があるものだろうか、と。
 でも一度はやってみたいと思います。
 せっかく我が家には複合型のコピー機あるし。一度もコピーしたことも、ましてや両面印刷できるけれどもしたことも、PDFに取り込んだこともないんですよねー・・・。正に宝の持ち腐れ。
 だども作り方読んでるだけで頭痛がする私には、頑張る気力が今は湧きません。
 湧いたら作ろうかと思います。


 さて、逆行伝。イタっさんの心情編。ナルトとカカシとイタチの三人で仲良く暮らしてる風景も書きたかったけれども、早く子育てさせたくてあえて割愛しました。
 ちなみに、イタっさんは15歳で。確かサスケが7歳のころに一族虐殺したんですよね、当時イタっさん12歳だっけ。5歳の年の差だという記憶があるのですが。
 ちみっこいサスケを育てたかったので、サスケが5歳の頃に一族抹殺してもらいました。
 なので、年齢操作。サスケとの年の差は10歳で。さすがに10歳のこどもが一族抹殺は無理があるので。
 この世界はナルトがジジイまで生きた世界とは微妙に違うということで、ひとつよろしくお願いします。







「ただいま・・・・・・」
 そう言いながら、イタチは部屋へと入っていく。
 いつもであれば、覆面をしたとぼけた顔の男と二人で忍術書を開いたり、男の忍犬と遊んだりと、明るい笑い声が聞こえてくるのだが、生憎ナルトもカカシも何処かへ出かけているようだ。
 珍しく主不在の部屋は、イタチの目にはどこか寒々しく映る。
 あの明るい金色がないだけで、この部屋はこんなにも余所余所しい空気になるのかと、イタチは僅かに瞑目した。
 何気なくテーブルを見やれば、そこには一枚のメモ用紙が。
 手にとって書かれている内容を読んでみる。


『ちょっと死の森に行ってきます。今日のおやつはドーナッツ。夕飯はカレーだってばよ!』


 書かれた文章に、ふ、とイタチは笑みが零れた。
 夕飯の支度はまだのようだから、それほど長く留守にはしないのだろう。そう予測をつけ、イタチは己に宛がわれている部屋へと向かった。
 暗部装束を脱ぎ、己が普段愛用している服に着替える。
 ここはナルトの為に用意された彼の住まいであったが、イタチとカカシはナルトの護衛という立場を利用して自分の服やら忍具やらを置き、果ては寝室まで設けていた。
 既に三人で暮らしているようなものだ。
 勿論イタチにはちゃんとした家があったが、あまり居心地の良い場所ではなく、己の気持ち的にはこちらの方が自分の家という感覚になっている。
 ちなにみ、見た目は二十畳程のこじんまりとした離れなのだが、中は三人それぞれの部屋と居間、書庫などがありとても広い。
 しれっと禁術で空間を捻じ曲げて部屋を広くしているとしか思えないのだが、イタチもカカシも怖くてナルトに聞けないでいる。
 とりあえず自分たちが使用する範囲さえ把握できれいればいいかというのが、二人の共通見解であった。
 イタチはテーブルに座り、用意されていたドーナツに手を伸ばす。
 相変わらず五歳児とは思えない程に器用な子どもの手作りのそれは、形は少々歪ではあるがとても美味しかった。
 それを食べながら、ナルトの残したメモを手に取る。
 簡潔に書かれたそれは、お世辞にも上手いといえる字ではなかったが、五歳の子どもの字としては破格のものだろう。
 己の弟も、この部屋の主と同じ歳だが、ここまで流暢な字を書けるとは思わない。
 第一、ようやく文字らしきものが書けるようになってきた弟と二歳の頃には暗号文書を空で書いていた彼を比べるのは何か違うだろうと思う。
 無邪気で可愛い己の弟。
 周りから愛情を受けることを何の疑問にも思わず、当然のこととして受け止めている、当たり前の子どもと。
 生まれた時から修羅を背負った、全てにおいて他を圧倒する力を有する子ども。
 同じ年に生まれたのに、片方は親の愛情を一身に受け、片方は里の人間に憎まれて育ってきた。
 それだけを見れば、何という理不尽だと、憎まれて育った子どもに同情を向けるであろう。


 だが、愛されて育ったはずの子も、その実憎まれて育った子と境遇は変わりないのだと言えば、誰が信じてくれるだろうか。


  どちらの子どもとも親しい己には、それがはっきりと見て取れた。
 周りから愛されていると、周囲も自身も疑わない環境にいるイタチの弟。
 あの「うちは」の血統に異様なまでに執着をみせるプライドばかりが高い一族の中で唯一、イタチが大切に思う肉親。
 あの子の為ならば、何でもできると思っていた。
 あの子の為ならば、何を、誰を犠牲にしてもいいと思っていた。
 そして実際自分はあの子を救う為に、他人を犠牲にしたのだ。


 ―――うずまきナルトを。


「・・・・・・っ」
 ぎり、と、イタチは奥歯を噛み締める。
 罪悪感に苛まれることなど、覚悟の上であったはずなのに。
 未だに、その痛みはイタチを苦しめる。
 こんな苦しみは、身勝手なものであると解りきっているのに。
 ナルトを思い苦しむことを、許される立場になどいないのに。

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