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 うずまき逆行伝

 日曜に友人が遊びにくるので、友人が所望したチーズケーキを久々にお試しで作ってみたんですが、どうも気に入らない。
 スライスチーズでできるというお手軽なやつなんですが、私はしゅわしゅわなチーズケーキが好きなんです。なのに、スフレチーズケーキを作ってるのにしゅわしゅわにならない。
 どういうこと。
 目標はりくろーおじさんのチーズケーキなんですが、あれなんか特殊な材料でも入ってんのか。
 あの柔らかさはどうしたら出るんだ。
 今日クリームチーズでまともに作っても望むしゅわしゅわはできませんでした・・・。
 とりあえずスライスチーズとクリームチーズ、どちらで作ったチーズケーキが美味しいかを明日同僚と食べ比べます。
 これで簡単なスライスチーズのチーズケーキの方が美味しかったら泣くな。
 そして明日はカレーを作成。ネットでおいしそうなカレーのレシピ見たからそれを作るんですが、何せぶっつけ本番でやるので、失敗したらごめんよ友よ。


 さて、話がかけらも前にいかない逆行伝。つか前なんかあるのか。
 いや一応これやりだした目的はナルトにサスケを育てさせるというものなので、あるにはあるんですがね。せめてそこに辿り着きたい。余力があれば原作をこのナルトで再現したい。
 今回の話は結構気に入ってます。こういうのが書きたかった。



 





「ぐわっ・・・・・・!!」


 光一つない闇の中、男のうめき声だけが広い室内に響いた。
 何の予備動作もなく放たれた高密度のチャクラを食らい、男は倒れながら目を見開く。
 悪い冗談だと思いたかった。
 己は里でも有数の忍だ。特に暗殺に関しては、里一番だと自負している。
 だからこそ、己はこの木の葉の里に使わされたというのに。
 木の葉が所有する、九尾を宿した人柱力を殺す為に。
 まだ幼い子どものうちに殺しておけば、木の葉の里の力を削ぐことにも繋がるのだ。
 戦は終わったとはいえ、未だ混乱の続く忍の世だ、脅威の芽は早く潰してしまうに限る。
 細心の注意を払い男は里へと侵入した。流石は忍五大国の里だけあり、夜警の忍者達は手練揃いだ。その守りに隙はない。
 だが、それを見越して男は遣わされたのだ。
 男の持つ能力により、誰一人として他里の忍が木の葉の里へと侵入したことには気づかない。
 月のない夜は男の独壇場であった。
 その能力を使い、男は容易く標的のいる部屋まで辿り着くことができた。
 里に侵入するまでが、今回の任務で最も難しい処とされたのだ。侵入できてしまえば、まだ赤子に等しい標的を殺すことなど、男にとっては容易いこと。


 そう、思っていたのに。


 ぬいぐるみが散乱する部屋の真ん中にあるベッドへと近づき、男が眠る子どもにクナイを振り降ろそうとした瞬間、男はものの見事に吹き飛ばされてしまったのだ。
「がは・・・・・・っ」
 そのまま男は床に思い切り叩きつけられる。
 高密度のチャクラが直撃したのだ、ちょっとやそっとの衝撃ではない。
 全身が痺れたように動かない現状に、男はあの高密度のチャクラがどれ程の威力を持っていたかを、正しく身をもって知らされたのだ。
「なっ・・・・・・なっ!」
 相手はただの幼子だと教えられていた。
 何の力もないただの子どもであると。
 それがどうだ。気配を殺していた男の存在をあっさり看破したどころか、逆にこちらに気配を感じさせずに攻撃を仕掛けてきたではないか。
 これのどこがただの子どもなのだ。
 男は吐血した口元を拭いもせずに、目を見開いたままなんとか立ち上がる。
 クナイを構えなおし、男はじっとベッドの上にいる子どもを見据えた。
 やがて暫くすると、むくりと子どもが起き上がり出す。
「・・・・・・・・・俺は三歳の幼児だ」
 不機嫌であることを隠しもしないその声色は、声だけならば確かに三歳児らしい高く愛らしいものではあった。
 しかし言われた内容があまりにもこの場にそぐわなくて、男は思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。
「は・・・・・・・・・?」
「里の人間から理不尽な態度を取られてる、可哀想なただのガキに過ぎねぇんだよ・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
 だが、暗殺者をあっさりと撥ね退けるような子どもを、「ただの」とは言わない。
 男はそう思ったが、件の子どもから発せられる殺気に怯み、後ずさることしかできなかった。
 ゆっくりとこどもがベッドから降りてくる。
「・・・・・・っ」
 半端ではない威圧感に、里有数の忍と謳われた男は完全に圧されていた。
 一歩一歩確実に、子どもは男に近づいている。
 広いとは言っても所詮は室内だ、後ずさるにも限度があった。
「三歳児といや、仕事は食って遊んで寝ることだろが。俺の仕事は食って遊んで寝ることだろうが。違うか!?」


 たぶん違うと思います。


 くわっと目を見開いた子どもの言葉に、男は内心突っ込みを入れた。
 食って遊んで寝るのが仕事でいいような子どもは、そもそも暗殺者を撃退できないだろう、どう考えても。
 そうは思ったが、何か怖かったので口には出せなかった。
「俺は里の人間から言われのない蔑みを向けられても甘んじて受け、暴力をふるってきた馬鹿どもにも幻術を喰らわせて仲間同士で殴り合いさせるだけで済ましてやってるような、優しい幼児だぞ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
 果たして幻術使って殴り合いさせる幼児に、優しいという形容詞はつくのだろうか。
 殺してないだけマシと思えとかいうレベルだったりするんだろうか、ひょっとして。
「大人しく火影邸から出るのは三日に一度にしてやってるし、禁術だって読んだらちゃんと元の場所に戻してるようないい子なのに・・・・・・!!」
 だからそもそも禁術を持ち出している時点で、いい子という言葉は当て嵌まるのか。
「なのになのに里の上層部からは命狙われてるわ禁術持ち出した罰としてトイレ掃除させられるわ大好きな一楽ラーメンは栄養偏るからとか言われて週一にさせられるわ!! 一楽のオヤジにじいちゃんが何か吹き込んだらしくてこっそり行っても食わしてくれねーし! つかなんでどんな変化しても見破るんだよあのオヤジ! ラーメン職人が何故見破れる!? ああ可哀想俺!!」
 何か最後の方は可哀想という次元ではなかったような気がするのだが。
「三歳児は普通夜の八時にはおやすみなさいして起きるのはだいたい朝の七時、軽く十時間は寝てるもんだろうが! しかもお昼寝まで入れると一日の半分は寝てるのが三歳児だぞ!? 睡眠不足は成長に最も響くっつーのに、何が悲しくてほぼ週一で睡眠時間を削られなきゃなんねーんだよ!! 俺はやっと上層部が送ってくる暗殺者どもを全て返り討ちにして、奴らの恥ずかしい秘密握って暗殺仕向けられないようにして夜ちゃんと眠れるようになったところだったんだぞ・・・・・・・・・!! なのに上層部が終わったら次は他里の忍が暗殺に来るってどんな罰ゲーム!?」
「や・・・・・・あの、その・・・・・・」
 男はここへ来た目的も忘れ、うがーっと叫ぶ子どもにたじたじとなる。
「これで俺の背が伸び悩んだらどう落とし前つけてくれんだあ゛あ゛!?」
「え、えっと・・・・・・すんません」
「すんませんで済んだら忍はいらねーんだよ!! 人の至福のおやすみ時間をどうしてくれるよ、ああん? オヤビンに食わせるぞゴラ」
 次第に据わってくる目つきが、非常に恐ろしい。
 何やら子どもの手に渦巻いたチャクラが終結しだしているのも、男の恐怖を煽っていた。
 先ほど食らったやつとは比べモノにならない程に、そのチャクラは禍々しく密度を高めている。
「ガキの生活に支障をきたすような時間帯に来るって少しは空気読めや!」
 ゴオォォ・・・と、子どもの手のひらの上のチャクラが、男にはまるで生き物の雄たけびのように聞こえた。
 もう男は半泣きだ。
 とんでもない仕事を引き受けた自分の運の悪さに、既に絶望しか感じない。
「あのっ、ぼっぼぼぼぼぼっちゃん! あのちょっとはな、はな、話し合いませんか・・・・・・っ!!」
 両手を手前でぶんぶんと振りながら男がそれ暗殺者としてどうよ、と思うような発言をする。
 その言葉に、子どもはにっこりと笑顔を見せた。
 あ、もしかして話し合いOK? と、男が気を抜いた瞬間、





「そういうことはちゃんと人が活動してる昼間に殺しにくる奴にしか適用されねーんだよォォォォォォォォ!!」
「理不尽ーーーーーーーー!!」
 それじゃ暗殺にならないだろうという言葉は、男の口から出ることはついぞなかった。





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